一週間前、チョコラータはそうと告げずにを殺した。
最早手は尽くした。そしてチョコラータは薄々気づき始めていたのだ。
体をバラバラにして、朝の日課のグリーンスムージーでも作るかのようにミキサーで血も肉も骨も撹拌してジュースにしてやっても、恐らくは生き返る。灰になるまで焼き尽くしてやろうとしても、灰になる前に本来人間が持ち得ない高性能すぎる生命維持機能が働き始める。
だから殺し方に趣向を凝らしたところでなんの意味もない。恐らく、スクアーロが言っていたような身体的弱点なんてものは存在しない。彼女の神経の図太さは見上げたもので、昔老人養護施設でやっていたように精神的に追い詰めて自死を促したところで、彼女は自殺なんてしないだろう。精神面での守りもばっちりだ。
ならば、殺した後のことを考えよう。物理的に生き返って動き回らないようにしてやればいいのだ。
殺した後、チョコラータは例の大きなノコギリでの首を切り落とした。切断したそばから体は修復を始めたが、体と頭部が結合しようとする寸前に、チョコラータはガラスケースに頭部だけ隔離した。体は寝台に放置した。そして地下室を後にして鍵をかける。この状態でしばらくの間――いつまでと明確に決めてはいなかったが、特段変化が起こらず飽きればやめるつもりでいた。そもそもの話、三か月という当初の命令が生きているのであれば、期限はもう一週間とちょっと先に迫っていた――彼女の様子を観察してみることにした。
我ながら気味の悪いことをやってのけた。寝床に潜ったチョコラータは、先程自分がやった猟奇殺人を思い返す。作業の間は熱中していたので気にはならなかったが、眠りに就こうとしてあれやこれやと考えている間に自身の行いを振り返ってみると後味の悪さを覚えた。
米国には昔、墓から掘り起こした新鮮な死体や、自らが殺した人間の革を剥いで鞣し、ランプシェードにしたりベストにしたりソファーの革に代用したりと、猟奇的すぎる発想を持った殺人者がいたらしいが、狂ってる。だが私は、そういう発想の人間とほとんど変わらないことをやってしまったんだな。
死んだ後の人間の体をどうするかという方面に執心しない質のチョコラータは、女の首を切り落としてガラスケースに保管した自分の行為にも少し嫌悪感を抱いた。だが、仕事だから仕方がない。そう思うことにした。
そして彼女の生首を入れたガラスケースを持ち上げた時のことを思い出した。
のスタンドは流石に強化ガラスを打ち破るほどのパワーは持っていなかった。綺麗な――恐らく、切断される前の状態にほとんど戻っている――首の断面が維持されるだけに留まっていた。信じられないことに、首は首で生きていて体は体で生きているように見えた。
医者のチョコラータにも理解不能な現象だった。それもそのはず、彼自身、なぜ自分が人間を瞬時に殺せるほどのカビを大量に発生させられるのかなんてことを論理的に説明しろと言われても不可能だ。スタンドとはそういう、人智を超越した能力なのだ。
私もも、あり得ないことがあり得る世界に生きている。ただそれだけのことだ。誰も説明なんてできないし、誰も彼女を殺せない。彼女の心を至上の悦楽で満たしてやらない限りは。
だが彼女がちょこまかと動き回らないようにすることは可能らしい。まあ、突然警察にガサ入れされるような珍事が起これば、私はシリアルキラーという不名誉極まりないレッテルを貼られその名を全国ないしは全世界に轟かせた後豚箱に再度ぶち込まれ、最悪死刑を食らうことになるだろうが。
それにしたって、の存在が疎ましいなら、最初からああして動かないように、そして喋らないように管理していればいいのだ。何故ボスはそれを今までしなかった?
ふと疑問が浮かんだが、今はそんなことよりも、首と胴体を切り離したが明日の朝どうなっているかが気になった。首の断面は綺麗なままだろうか。はたまた、精神が生き返ることを諦めて、一面血の海と化しているだろうか。……死んで"しまって"いるだろうか。
翌朝、地下に下りると、寝台には一糸纏わぬ美しい首無し死体……否、肉人形が横たわっていた。昨晩部屋を後にしたときと変わらない状態で、先に危惧したような血の海は広がっていなかった。どうやらまだ彼女の精神が彼女を生かそうと頑張っているらしい。
は殺してやるとき服を脱ぎたがった。別に血肉で汚れたとしても、彼女はその体で見事に質量保存の法則を体現できる――最も、それは化学反応でもなんでもない超常現象だが――ので、服に汚れは残らない。脱ぎたがる理由はそこには無かった。感度を高めるために、余計な感覚をできるだけ排除したいという、無意味なコダワリだ。
最初は恥ずかしがって顔を赤くしていたが、何度も何度も繰り返す内に恥じらいを無くしていった。慣れとは恐ろしい物だと、チョコラータは思った。
それにしても、細胞のひとつひとつにスタンドが取り憑いて、彼女を生かしているとでも言うのか?だが相変わらずスタンドは鳴りを潜めていて、その姿を拝むことはできない。
の首の無い裸体を、チョコラータはじっくりと舐るように観察した。手始めに、胸の中央に手を添えてみた。心拍が起こっている。確かに、心臓は独自に電気信号を発して拍動を起こしているので、脳が無くても動くのには納得がいった。
と、やはりチョコラータの理系脳が彼女の体を科学的に理解しようとする。そんなことを考えても無駄だともう随分前に悟っていたはずなのに、文字通り無口な今の彼女は、チョコラータの好奇心を煽っていた。
首を切り落としても、彼女の精神はまだ宿主を生かそうとしている。最早執念という域を完全に逸脱している。まるで呪いだ。絶対に死ねない呪いなのだ。
美しいとすら思えた。首が無いのに、本来なら死んでいる状態にあるはずなのに、触れれば温かいし心臓も動いている。肌にはハリツヤがあって柔らかい。奇妙なことに、チョコラータの肉欲すら煽るほど、今のの体は艶めかしい。これまで一度も彼女の裸体を見て興奮などしたことが無かったというのに。
この時初めて、チョコラータは気づいたのだ。この状態を保っている彼女の精神は、今まさに、自分の求める生命の煌きを放っているのではないか。生きた彼女が表に出す言動そのものはただの薬物中毒者のそれと何ら変わりない。だが、彼女の内に秘める精神は、実のところ死にたくないと運命に必至に抗っているのではないか。
彼女の精神が、必死に彼女を生かそうとしている。それが何故なのか。
興味が湧いてきた。この、・という女が、内に何を秘めているのか。そして、その謎を解明するまで、彼女を手放したくないとすら思えた。この心変わりは、チョコラータ自身予期していなかったことだった。
寝台の側、壁際に置いた作業台の上に、の生首を入れたガラスケースがある。チョコラータは気が済むまで彼女の体を観察すると、おもむろに作業台へと歩み寄った。
切断面は自立できるように綺麗に整えていた。精巧に作られたマネキンのようなの頭部。ガラスケースの上辺の蓋を開け、チョコラータは両手でそれを持ち上げた。血は滴り落ちず、まるで表面張力でも働いているかのような状態で切断面に留まっていた。
チョコラータは両手で顎を包み込むようにして、五キログラムはある頭部を空中で支え、眠ると目の高さを同じにした。親指を伸ばして瞼を持ち上げると、夢でも見ているのか、眼球運動を盛んに行っていた。言うまでもなく生首の眼孔でだ。
普通の神経の持ち主であれば、ぞっとする光景だ。だがチョコラータはまた、の顔、否、頭部を美しいと思った。
「……聞こえてるか?」
話しかけてみても、流石に返事はしなかった。しかし、チョコラータは構わず続けた。
「お前を殺し始めてもう丸二ヶ月経つが、今初めて、お前のことを美しいと思えたよ。心から、そう思えたんだ。そして少し、楽しみに思えるんだ。これからお前と過ごす日々を」
三ヶ月。期限付きの仕事だ。最初は彼女を殺せというその仕事が、彼女と生活を共にすることがストレスでしかなかった。だが今は、・という女に確かに惹かれていた。チョコラータが抱いているのは恋愛感情の類では無いが、の顔を眺める彼の表情は女に愛をささやく男のそれと大差無かった。
「期限があるんだ。それまでにお前を殺せなかったら、私がボスに殺されるか、ずっとお前の管理を任されるか……そのどちらかだろう。まあ、もし仕事をしくじった私への罰でボスに命を狙われたとしても、私は死ぬ気なんてさらさら無いし逃げおおせるつもりでいるが……お前は取り上げられるかもしれない。前は早くそうなればいいって思っていたんだよ。だが今は、お前の中を知り尽くしたいと思ってる。知り尽くした最後の最後に、お前をこの手で殺してやるのもやぶさかでは無いと、今なら言える」
こんなに長々と、チョコラータが自分の気持ちをに伝えるのは初めてだった。寝ているから伝わっていないだろうし、生首相手に真剣に話しかけているなんて奇怪にも程がある光景だが、当の本人は至極真面目な気分でいた。
また、話しかければいつも笑って返事をするが、今は返事をしてくれない。話しかけている相手が生首なのだからそれは当然のことなのだが、これから先しばらくの間、この状態が続くと思うと少し寂しく感じた。
「……だからまだ死ぬんじゃあないぞ」
これまでずっと、さっさと死ね、と念じていたはずのに、チョコラータはこの時初めて、生き返って欲しいと願ったのだった。
「なあ、チョコ……ラータ……?」
の頭と胴体を切り離して六日が経った日の朝のことだ。腹が空いたと訴えるように腹部をさすりながら、セッコがリビングへと下りてきた。チョコラータはコーヒーカップを傾けながら、ちらと横目で同居人を見やった。
「どうしたセッコ。今日はえらく早起きじゃあないか」
を動けなくする前まで、彼女がこしらえた朝食を彼女自身がセッコの部屋へと運んでやっていたのだが、そのルームサービスが無くなってから――最も、がこの屋敷に来る前の状態に戻っただけなのだが――彼は十時以降に自室から出てきた。
今はまだ朝七時半だ。セッコは腹を鳴らしてよたよたと歩き出し、チョコラータの膝元に縋りついた。
「腹……減った……」
「昨日の残りが冷蔵庫の中に余ってる。自分で用意して食え」
「まずい……んだよぉ……の、あいつの作った……メシが……食いてーんだ。あれが、いいなァ……。甘いのたあっぷりかかった……フレンチ、トーストって……言うのかァ?」
チョコラータが昨晩夕食にと思って準備したのは、デリで量り売りされていたラザニアとサラダ、その他もろもろの総菜だった。その前の日まで彼が何かしら作っていたのだがの料理の味には遠く及ばず、五日目にしてやっとプロが作った出来合いの料理を探して最寄りの町へと繰り出した。が、その店の味もすっかり肥えてしまったセッコの舌には合わなかったらしい。チョコラータはひとつ深い溜息を吐く。
「チョコラータ……、いつ生き……返らせるんだ……?もう、いいじゃねーか……よ。どうせ、今日だって……昨日と、なんにも……変わってなんか、ないんだぜ……。オレ、あいつのこと、嫌い……だけど、よォ。あいつの料理、だけは……好き、なんだよぉ。それに……」
セッコはばつが悪そうな顔をして言いよどむ。
「最近、風呂とか便所とか……台所とか……汚くねぇ、か?」
「おいセッコ。がこの家に来る前の状態に戻っただけだろうが。それほどひどくない。潔癖もほどほどにしないと、病気にかかりやすくなるんだぞ」
とは言ってみたもののチョコラータ自身、家にいる間は甲斐甲斐しく家事をこなすが保っていた“ホテル暮らし”が途絶えてからというもの、がいればなあと思うことは増えていた。毎回の食事はもちろんのこと、掃除、洗濯、セッコの世話にいたるまで、チョコラータは何もしなくて良かったからだ。最近は、ベッドシーツは臭いが気になりだすまで洗わなかったし、衣類、各所のタオルは溜まりに溜まって目障りになるまで洗わなかった。そう言えば、そろそろストックも無くなる頃だ。いい加減また洗濯しなければな……。
「でもよぉ……あいつの作る、料理の匂い……とか、洗濯物の洗剤のいい匂い……とか、恋しいんだ……。チョコラータも、そう思わねぇ……か?」
「確かにな。どこかホッとする匂いだったな……あれは」
「だからよォ……もう、いいじゃんか……どうせ、は……どうやったって、死にはしねぇ、んだぜ……。もう、一週間経つしよォ……精一杯やったって、アピールする……には、十分だと、思うんだ……」
「……いや。お前がのメシを食いたいってだけで止めちまう訳にはいかない。アイツの精神がいつまで持つかってのも気になるんだ。だからまだダメだ。辛抱しろ、セッコ」
不服そうな顔でチョコラータを見上げたセッコは、しばらく彼の顔をじっと見つめた後、ゆっくりとした動作でチョコラータの膝から離れキッチンへと向かった。
チョコラータも、本当は早くを起こしたかった。だがセッコに告げた通り、彼が初めてに対して美しいと言い放つ原因となった精神がいつまで持つのか。彼が愛を持って殺す価値があるか否か、見定めようともしていた。
だが、その思惑は唐突に終わりを迎えることになる。
閑静な田舎道に響くけたたましい車のエンジン音がチョコラータの耳に届いた。これまで何度か耳にしたことがあるその音。だがそれは、いつもよりも大きく聞こえた。どうやらかなりスピードを出しているらしい。
本道を走っていた時とほぼ変わらない速度を維持したまま、一台のポルシェが砂埃を巻き上げながらチョコラータの邸宅の庭に荒々しく乗り入れた。
「まったく、人んちの庭を何だと思ってやがる。広いからってドリフトなんぞ決めやがって……」
その広い庭の手入れなど彼はやった試しがないが、が雑草をむしったり、春に向けて花を植えたりしていたことを思うと、庭を荒らされたことに怒りを覚えた。
ポルシェから降りて車の扉を荒々しく閉めたスクアーロとティッツァーノは、小走りで玄関へと向かって行く。一応扉を叩くことはした彼らだったが、家の主人が扉を開ける前に戸口をくぐりリビングへと押し入った。チョコラータは溜息を吐きながら被りを振る。
「おいお前ら、礼儀ってもんを知らねーのか」
「そのことなら私から謝りますよ、チョコラータ。急ぎの用なんです」
「チョコラータ!あんた、に一体何をしていやがる!?」
何をしていやがる?殺せと言っていたヤツが言うことじゃない。全くもって理不尽極まりない問いかけに、チョコラータは怒気を込めて言った。
「殺してる。……いや、殺し“続けてる”……か。あんたらが……いや、ボスがやれと言ったことをやっているだけだ。何ならその目でがどうなっているのか確認すればいい。そう滅多にお目にかかれない、面白いもんが見られるぞ」
「面白いもの……?」
怪訝そうな顔を互いに見合わせたスクアーロとティッツァーノは、不気味な笑みを浮かべて立ち上がり歩き出すチョコラータに続いた。
リビングルームを出て吹き抜けの玄関を通過し、向かいのランドリールームへと入る。突き当り右側の扉を開けると、地下へと伸びる階段が見えた。階段を降りた先、重厚感のあるスチール製の扉を開けたチョコラータに地下室へと通されたふたりは、部屋の中央に設置された寝台の上と、その向こう側に見えたガラスケースの中身を見て固唾を呑んだ。しばらく何も言えずにその場に立ち尽くす。
チョコラータは口角を吊り上げた。想像通りの反応を示す客人たちの様子を眺めるのは愉快だった。
「驚きだよな。こんな状態でも生きているんだぜ」
チョコラータはゆっくりとの体に近づくと、それのハリツヤを見せつけようと手のひらで乳房を包むようにして揺らしてみせた。その後、胸の中央のあたりに手を置いた。
まだ動いている。体も温かい。チョコラータは安堵の吐息を漏らすと、尚も黙ったまま硬直する客人たちを見やる。
「心臓だってちゃーんと動いているんだぜ。頭の方の眼球だって、夢を見ている間動いていたんだ。なんでそうなのかって考えても答えは出ないんだが、ただ純粋に美しいと思わないか?首が無いのに生きている。体が無いのに生きているんだ。凄いと思わないか?」
首無し死体と生首を美しいと称し、歪んだ笑みを浮かべて大手を広げるチョコラータは、サスペンス映画に出てくるマッド・サイエンティスト、あるいはサイコキラーのように見えてぞっとした。前に彼に振った仕事でもその猟奇性は遺憾なく発揮されたようだが、36分割で輪切りにした暗殺者チームの男をホルマリン漬けにして、仲間の元へ送ってやった。と結果を話で聞いただけだった。チョコラータのことは、そんな悍しいことをやってのける頭のおかしいやつ、という認識ではいたものの、実感は湧いていなかったのだ。
女の頭を切り落としてガラスケースに保管し、片や体の方は衣服も何もなしに、全裸の状態で放置している。見たところどちらの切断面からも血は吹き出てはいないようだが、どうなっているかと確認するのも躊躇われた。幸い体の切断面は部屋の奥に向かっていたので、スクアーロとティッツァーノには見えなかった。マネキンの頭と体が離れていると考えればすこしは気が紛れた。
「お楽しみのところ悪いんですが、チョコラータ。今すぐ彼女を生き返らせてください」
は美しい。凄い。そんなチョコラータの感嘆は客人からの同意を得られなかった。気分を害されたのもあったが、それよりも、彼女を殺せと命令してきた人間が一転して生き返らせろと言ってきたことが気に食わなかった。
「……を殺すのが、私の仕事じゃあなかったか?」
「もういいって言ってんだよ……!お前の仕事は終わりなんだ。次の引取り先が見つかるまで預かってはもらうが、もうこれ以上、この女のことを殺すんじゃあねえ」
完全に狼狽えた様子のスクアーロを制すように、ティッツァーノが前に出た。
「チョコラータ。ご苦労さまでした。今月分の報酬は用意しています。ボスが仕事の出来に満足されていたので、追加のボーナスも」
「そういう話は後にしろ。何故、を殺すのを止めなくちゃならない?それに、次の引取り先ってのは何の事だ」
「何故かは私達にも分かりません。ただ急いで止めさせろと言われただけです。次の引取り先はまだ決まっていませんが、ここじゃないどこかとだけ言っておきます。いつまでもあなたと同居させるわけにはいかないでしょう?あなただって、迷惑なはずです」
チョコラータは怪訝そうな顔で、冷汗をダラダラと流してしきりに唾を飲み込むスクアーロの姿を見て思った。
何故か知らないというのは嘘だ。
ますます、・という女に興味が湧いてきた。そしてスクアーロとティッツァーノが隠していることが何か、ボスが懸命に自分に知られまいとしていることが何なのか。
チョコラータは呆然としたふりを装って、しばらく黙り、考えた。・を知り尽くすために、自分はこれからどうするべきか。自身の好奇心、探求心を満たすために、今後どう身を振るべきか。考えていた。