The Catcher in the Mirror

 ロッシーニ夫妻の邸宅から抜け出した時、深夜にも関わらず辺りは騒然としていた。聞き慣れない銃声が市井に轟いたのだから当然かもしれないが、住民たちが通りに姿を現している。危険ですから家の中へ戻ってくださいと声をかけながら、人々に聞き込みをする警察官たちの姿もあった。

 まさに銃声を轟かせた部屋からたった今抜けだしてきたわけだが、誰もイルーゾォ、、シドへは目を向けない。それもそのはず。邸宅の裏口を開けて出入りできるようにして、イルーゾォの鏡の中の世界を行く間のことなので、野次馬たちが彼ら三人に気付くことはないのである。は手鏡を手に、現実世界の様子を確認していた。

 人々の合間を掻い潜り、二ブロック離れた路上に停車させたバンへ向かおうと足を進めている間に、会社の人間の姿がの目に飛び込んだ。見慣れた紺色のジャンパーを身に纏い、なんの変哲もないグレーのセダンに乗り込んで現場に目を光らせるている彼ら。おそらく、父が自身の警護やその他諸々で傭兵のようにいつも付き従えている二人組だ。顔にも見覚えがある。

 は、やはり自分の予想が的中したのだ、と思った。父は自分が別荘からいなくなったその時すでに、彼らをここへ赴かせていたのだ。

「連中、家に入りあぐねてるみたいだな」

 手鏡を覗き込んでシドが言った。本来なら、発砲音が聞こえた時におしかけておくべきだったのだろうが、父と連絡がつかなかったのか、突入の指示を仰ぐことができないうちに警察が駆けつけてしまったようだ。父の命を受けた部下たちは、警察官と野次馬たちが姿を消すのを今か今かと待っている。

「ええ。警察がうろちょろしている間は動かないでしょう。……父はきっと、私がいなくなったのはニーナのせいだと思いこんでいるんだわ。だとしたら――」
「ほっとけよ。自業自得だろ。オレはいまだに、あんたの判断がどうかってところに疑問を抱いているんだぜ」

 たとえ無敵の能力――詳しい説明は後だと言われた。確かに死んでイルーゾォの腕のなかにいたはずの彼女が、次の瞬間には無傷の姿で自分のナイフを持つ手を握っていたなんて現象について、シドはそうとしか言い表せなかった――がに備わったのだとしても、何度でも殺しにくればいいとまで宣って首謀者をほったらかしにするなんて、強がりもいいところだ。だが、何が起きたのか――いや、自分が何を起こしたのか、それを知っている彼女にとってそれは強がりでも何でもないのだろう。

「言ったでしょう。殺すのは簡単。けれど、簡単な道ばかり選んでいるとかえってしがらみは多くなって、いずれ立ち行かなくなるものよ。だいたい、何だってそうなのよ」

 は車の方へ進める足をはたと止め、イルーゾォの手を取った。彼は振り返っての目をじっと見つめる。 

「イルーゾォ。あなたにしか、これは頼めないわ。……私達を車まで送り届けた後、あなただけニーナの家へ戻って、彼女たちの命を守ってほしいの」

 イルーゾォは顔色を変えずにじっとの目を見つめたままだった。ふと思ったのは、頼んできたのがでなければ、秒で却下していた話だということ。いや、を殺そうと殺し屋を差し向けてきた人間の命を守れなんて、の頼みでも聞かないのが筋ってもんだ。そこまで考えてもみた。

 だがやはり、愛する女の頼みを聞く、愛する女の気持ちを尊重する、愛する女が守ろうとしているものを守る。そちらの方が、自分の気持ちを優先するよりも大事だと思えた。

「いいだろう。ただし――」

 イルーゾォはの背に手を回し自身の体に彼女の体を引き寄せて、顔を鼻先が触れ合うほどの距離まで詰めた。は大きく目を見開いて息を呑む。

「――褒美はたっぷりといただくからな?」

 イルーゾォが何を欲しがっているのか。にはよく分かった。ふたりの姿を面白くなさそうに見ているシドにも。イルーゾォが求めているのは、金ではなく、そのものだ。

 場違いと自覚しながらも、彼女はイルーゾォへ“褒美”を与える未来を想像して胸を高鳴らせていた。――本当なら今すぐここで抱きしめたい。けれど、片づけなければならないことがまだある。

「分かった。後で、ね」

 イルーゾォはニヤリと笑ってから顔を離し、彼女に背を向けた。疲弊しきっていたはずの心臓は、また激しく音を立てて体中に血液を送り出しはじめる。は真っ赤になった顔をまだ冷たいままの両手で挟んで冷ましながらイルーゾォの後を追った。そんなふたりをやはり面白くなさそうに気だるげに、シドが追いかけた。

 こうして三人は駆け足で乗ってきた車の元へと戻り、さらに鏡の中の世界から現実世界へと戻った。その後、イルーゾォとのふたりは連絡先――互いの携帯電話の番号――を交換する。

「私はこれから父の元へ行くわ。父を説得して、ニーナやロベルトには手を出させないようにする。話がついたら、私からあなたへ電話するわ」

 携帯電話は父に没収されたままなので、くれぐれも早まって電話をかけてこないように。そう付け加えた。

「ところで、おまえはさっき“後で”と言ったが、結局オレはいつおまえからの褒美を受け取れるんだ?

 イルーゾォは再び片方の口角を吊り上げ、へ熱い眼差しを向ける。

「……明日の朝、例のレストランで、十一時に。どう?」

 本来、何事もなく再会するはずだった場所で、同じ時間に。

「分かった。必ず来い」
「ええ。約束よ」

 そう言葉を交わすと、イルーゾォはまた車のサイドミラーを入口にして、鏡の中の世界へと幻想のように消えていった。

「……さあ、シド。私達は急いで本社へ戻るわよ」
「上手くいくといいな。ロマーノさんの説得」
「そうね」

 シドは運転席へ乗り込み、が助手席に乗り込んだのを確認するなり車にエンジンをかけた。車が走り出すと、は神妙な面持ちで話し始めた。

「シド。あなたにも、引き続き仕事を頼みたいの」
「ああ。何だよ」
「……父のことを調べてほしいの」
「ロマーノさんのことを?なんでまた」

 今までが盲目的に信じてきた父親、ロマーノ・という人間について。洗いざらいレポートにしてほしい。

 理由は、盲目的に信じてしまっていたからだ。盲目的に、父の存在そのものを正義と思いこんでいたから。だから私はつい最近まで、彼がパッショーネの幹部であることを全く知らなかった。そんな反省があってのことだった。

 そもそも、何故急に社長の座から退くと言ったのか。あまりにも唐突な話に圧倒されて、もう疲れた、なんて簡単な言葉を鵜呑みにしたが、今となってはそこにも何か裏があるように思えて仕方なかった。

 その一方で、は完全に父を悪と断定できずにいた。厳格で、誠実で、亡き母への愛を尚も貫き女性を寄せ付けないでいるあの父が、自らすすんでギャングに成り下がるなんて。その片鱗を見たのも、例の事件が起きたのは会社の落ち度だとマスコミが騒ぎ立てたのを揉み消したという、つい最近の話だ。本来の父ならばそんなことをするはずがなかった。――いや、最早これも、きっと自分の願望に違いない。けれどせめてもと、情状酌量の余地を探すために、自分が信じてきたものが完全なる悪ではないのだと確かめるためにすることだ。

「きっと今までで一番難しい仕事よ」

 調査対象はイタリア一のギャング組織の“情報”を司るパッショーネの幹部にして、イタリア全土で警備・情報セキュリティを担う会社のトップだ。その家族すら知り得ない情報を掘り起こそうというのだから、並大抵の人間には成し遂げ得ない仕事だろう。

「難しいからやりがいがあって楽しい。だからやるんだろ」
「さすが。そうこなくちゃ」
「それはそうと。オッサンにカラダで支払う報酬のことで頭いっぱいにしてるとこ悪いけど、オレへの報酬のことも忘れないでくれよな」
「だっ……誰が色ボケババアですって!?」
「いやそこまで言ってねーし」

 は顔を真っ赤にして狼狽えて見せたあと、わざとらしく咳ばらいをした。

「と、とりあえず、今日までの働きについては、帰ってすぐに小切手をきってあげる。多分に色を付けてね」

 続けて、ウインクをしてシドに笑ってみせた。

 ああ。オレも、報酬はアンタがいいとか、言えたら良かったのに。

 そんな思いが、寝不足でぼんやりとしたシドの頭に浮かんでいた。

15: Don't Say You Love Me



 父、ロマーノ・は社長室にいた。開いた扉の向こう側から姿を現したのがと分かるや否や、彼はマホガニーのデスクから慌てて抜け出して駆け寄り、娘を抱きしめた。

っ……!」

 は久しぶりに感じた父親の体温に安堵しつつも、彼の体が、声が震えていると気づいて狼狽えた。ひとしきり抱きしめられた後、ロマーノはの肩を掴んで身体を引き離し、頭のてっぺんからつま先までを見下ろした。怪我は無いか。一体どこに行っていたんだ。などと涙ながらに問われ、あたたかな掌で顔を覆われじっと見つめられる。まるで迷子になって、すっかり暗くなった夜にやっと見つけ出された子供のようだ。父にこんなことをされたのも、きっと子供の時以来久しぶりだ。それが嬉しいような恥ずかしいような、むず痒い気持ちになる。

 それも束の間、は冷静になった。情に絆されてはいけない。今目の前にいる優しい父親は、警備会社の社長でありながら、ギャング組織に魂を売って人ひとり殺したも同然の男なのだ。

 はロマーノの胸に手を当て、やんわりと体を押しのけて彼の抱擁から逃れた。そして、シドから預かった数々の証拠が格納されたUSBのメモリースティックと、ニーナの肉声――犯行動機――が録音されたボイスレコーダーをデスク上に並べた。ロマーノはデスクの方へ体を向け、の姿と机上に置かれた物を視界に入れるも、その場にじっと留まったまま呆然としていた。かまわずにはボイスレコーダーの側面にある電源スイッチを入れ、表面にある再生ボタンを押した。聞こえてくる音声はとニーナの会話から始まり、やがてニーナが犯行動機を口走り、それを最後に音は途絶える。

「――これが欲しくて、ニーナ・ロッシーニの家に行っていたの」

 娘の回答を受けても、ロマーノは何も言わなかった。どうやってあの厳重な警戒態勢を敷いていた別荘から抜け出したのか。どうやってニーナの家まで言ったのか。そもそも、どうして首謀者がニーナであると知っているのか。どうやってこんな証拠を引き出したのか。聞きたいだろうということは色々あるはずなのに、彼は何も聞かない。どうして質問攻めにしてこないのだと、半ば躍起になっては続けた。

「こっちのメモリースティックには、シドが集めてくれた証拠が詰まってる。これで、今度私を殺そうとしたらこの証拠の数々を公にすると言ってニーナを脅してきたの。だから彼女はもう二度と私を殺そうとはしないわ」

 半分嘘だ。ニーナには最終的に、何度殺しにきたってどうせ殺せやしないから好きにしろと言ってきた。殺されそうになったって絶対に死なないという自信がある。ディスティニーズ・チャイルドだ。彼女がいる。けれど、父にその存在を明かすつもりはなかった。――きっと分かってはもらえない。

「そうか。……分かった。それで、おまえの望みはなんだ」
「え?」

 分かった?何が分かったの?ほとんどまともな説明をしていないのに。どうして何も聞かないの?何を理解できたって言うのよ。結局、何も聞かないし、何も言わないつもりなんだわ。これまで何も言わなかったことを、弁明するつもりすらないんだわ!!

 は憤り、唇を噛んでロマーノをねめつけた。ねめつけたところで父の態度は変わらない。先程を抱きしめた時の、優しくも憔悴しきったような、その態度のままでいる。彼はへ向かってゆっくりと歩きだした。

「望みがなければ、わざわざ私の元に来ないだろう」
「……分かっているなら、話は早いわ。父さん」

 これまで一度も見たことが無いような、病的とも思える表情をした父がゆっくりとこちらへ近づいてくる。珍しく怖気づいたは後ずさりしたい気持ちを抑え続けた。

「父さんは、私を殺そうとする者を殺すと言っていたわね。もうそんなこと、必要ないからやめて。簡単に、人を殺すなんて言わないで。金輪際、ニーナやロベルトに手を出さないで。これが私の望み」
「私がおまえの望みを叶えれば――

 ロマーノは再び、を抱きしめた。救いを求めて縋りつくように。

 ――おまえは、私をもう二度と心配させないと、約束してくれるのか?」
「……父さん?」
「おまえが死んだんじゃないかと思う度に、この身が引き裂かれるように心が痛むんだ。……それが何故か、わかるか」
「え?」
「私が、おまえを愛しているからだ」

 父親の愛情なんて忘れていた。記憶が正しければ、母が亡くなってから……いや、亡くなる前――もうおぼろげなそれだが、母が体を悪くする前に言われて以来久しぶりに聞いた。抱きしめられたのだって、母の葬儀の後、墓石の前でふたり抱き合って泣いた時が最後だった。

 だから、全部嘘のように感じた。今まで散々私を遠ざけていたくせに、何をいまさら。嘘だ。全部、全部嘘。父は私を愛してなんかいない。父は、私に母の影を重ねているだけ。今まで、私自身を見てくれたことなんか、ましてや心からの愛を与えてくれたことなんか、一度だってない。

 冷静な、過去を振り返る方の自分はそう決めつける。けれど、それは確かに心の底から欲していた父からの言葉でもあった。遠い昔の幼い頃に置き忘れていたはずの渇望がいまさらになって満たされて、知らず知らずのうちに瞳からぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく。そして、つい情に絆されて、嘘をつくなと反発することも忘れて口を滑らせてしまう。

「父さん。ごめんなさい」
「いいんだ。おまえが無事なら、それで。ただし約束してくれ。もう二度と、私を心配させないと。私を絶望させないでくれ。死に急ぐような真似はよせ。私を置いて、先に行こうとしないでくれ。頼む。頼むから……どうか」

 しがらみだ。

「約束する。……約束するわ」

 愛していると言って欲しい。こころからの愛を示して欲しい。言えばいいのに言わなかった。それは大人になるにつれてどんどん難しくなっていった。

 難しい問題を放置してしまった。だから今、ロマーノの愛情はしがらみとなって、前進しようとするの歩みを阻もうとしていた。

「ああ、そうだ。これを返しておこう」

 ロマーノはジャケットの胸ポケットから、没収していたの携帯電話を取り出して彼女に手渡した。

 やっと彼に連絡できる!

 目を輝かせて、ありがとうと言いながら携帯電話を受け取った。ちなみに、携帯電話の料金はもちろんが月々の支払いをしているし、端末の料金もまた然りだ。だから彼女はロマーノにありがとうなどと言ってやる筋合いは無いし、何なら父の行為は窃盗に違いないのだが、舞い上がったには父がはたらいた不当な行為など、最早取るに足らない些細なことでしかなかった。

「それじゃあね、父さん。私、明日までのお休みを満喫するから」

 そう言っては社長室から出ていった。出ていくなり、ロマーノは内ポケットからイヤホンを取り出してそれを片耳にはめた。そして机上に立ち上げたままにしておいたノートパソコンの画面の前に再び腰掛けた。

『もしもし。イルーゾォ?……ええ。ついさっき、父を説得したの。だから、もうナポリへ帰っていいわよ。……ええ。本当に、ありがとう。……忘れてないわ。……じゃあ、明日の朝十一時に例の場所で。会えるのを楽しみに待っているわね。おやすみなさい。気をつけて帰って。……ええ、それじゃあ――』



 さっとシャワーを浴び終え、仕事場兼家としている地下室に戻ったシドは、どっと押し寄せてきた疲労になぎ倒されたようにベッドへ転がった。目をつぶり、そう言えばイルーゾォが最後に尻を乗せていた方に今自分は頭を乗せていると気づき、跳ね起きて頭を反対側へやった。

 やっとぐっすり眠れる。色々ありすぎて疲れて、丸一日寝込んでしまいそうだと思った。そう思った矢先、部屋の入口のドアが開く音を聞く。この部屋に入ってくるのは、かロマーノだけ。どちらにせよ、今は寝かせてくれ。相変わらずシドは、名前を呼ばれても返事をする気などさらさら無かった。

 ハイヒールではない。革靴だ。コンクリートの床をコツコツと鳴らすのは、ロマーノだ。シドは深いため息を吐いて、マスクをつけたままの顔面に掌を打ち付け半身を起こした。

「貴様、今までどこへ行っていた」
「ちょっと外で調べものを。……証拠を探していたんです」

 ロマーノはふん、と鼻を鳴らした。確かにそうに違いない、と思ったのだ。

「質問が悪かったな。この男と、どこへ行っていた?そして何をしてきた」

 ソファーベッドの前に置いたコーヒーテーブルに、ロマーノによって一枚の写真が投げ置かれた。監視カメラが撮影した映像の切り抜きだ。会社の地下駐車場――ちょうど、この部屋から出て廊下を少し進んだ先にある――を天井から写したそれには、を迎えに行き、彼女を乗せてニーナの家へ行き、最後にここまで送り届けたバンが写っていた。運転席にはシド。そして、助手席にはイルーゾォの姿が。

「だいたいのことは私にも分かる。だが、だいたいという憶測でモノを言うのは好きでは無いんだ。……娘の身に何があったのか。そしてこの男が言ったこと。覚えている限りで構わないから、すべて話してもらいたい」

 は言っていた。できるだけ、イルーゾォがこの件――別荘からの脱出を手助けし、ロベルトの邸宅におしかけたこと――に一枚噛んでいることを父には言わないでおきたいと。それが何故か確かなことは本人に聞かなければ分からないが、おそらくイルーゾォとあいつの所属するチームへのとばっちりを避けるためだ。もっと言えば、ふたりの関係を父親に邪魔されたくないという思いもあるだろう。

 イルーゾォもロマーノのことを恐れてはいたらしく、この地下室以外ではほとんど、例の鏡の中の世界を歩いて移動していた。だが、車の中では気を緩めていた。それを、目ざといロマーノに見つけられてしまったと言うわけだ。の目ざとさは父親譲りなのだと思い知る。

 あんたが守りたいと思うものも守ってやると、シドは言った。この場合の彼女の守りたいものとはきっと、ギャングで暗殺者をやっているあの無法者との関係だろう。

 しかし、睡眠時間を削られると、人の思考力は低下する。こうすれば近い将来こうなるだろうと深く考えずに、早く寝たいからと目先の仕事を早く片付けようとだけするものだ。

 結果、シドはこんな考えに思い至ってしまった。どうもイルーゾォのことを良く思っていないらしい――当たり前だ。手塩にかけて育ててきた愛娘が、ギャングで殺し屋なんていうとんでもない男と仲良くしているのだから――ロマーノに、起こったことを全て話せば……イルーゾォをから遠ざけることができるのでは?オレの世界から消えてもらえるのではないか?と。