暗殺嬢は轢死したい。

「久しくなかったんじゃねーか? おまえが仕事に出るなんて」

 プロシュートが何となしに言った。リゾットは答えた。

「長く実戦から離れてカンが鈍るのは避けたくてな。それに、毎日毎日使わない体を鍛えているつもりもない」
「ワークアウトは自慰行為だからな」

 よくあることだが、場の空気がメローネの一言によって凍りついた。

「なんだよ。オレは映画『ファイト・クラブ』に出てくる、タイラー・ダーデンの名言を借りただけだ」
「はぁ……なんだろうな。おまえが言うと全部ただの下ネタにしか聞こえないんだよなァ」

 ホルマジオがやれやれと頭を横に振りながら、その場を何とかしのごうとした。

 ところで、パラニュークは登場人物にそう言わせて、読者諸君に何を伝えたかったのだろう。使わない肉体を鍛えいくら見た目だけ強そうに取り繕ったところで、本当に強くなければなんの意味もない。単なる自己満足。自分が気持ちよくなるだけの無意味な習慣。ということだろうか。

 なるほど、一理あるとリゾットは思った。ならば尚更、オレは筋肉だけでなく、自己を破壊しにでかけなければなるまい。日々の鍛錬を自慰行為などと言われぬように。

 メローネの世界には、読むべき空気などは存在しないのだが、おかげで今のように目が覚めるような気になることは多々あった。だからリゾットは、メローネのみだりがわしい発言を聞いても、こいつは性的なことに関心があるだけだと決めつけ、呆れ返ることは控えるように心がけていた。まあ、それでもさすがに限度というものはあるのだが。

 リゾットはメローネにターゲットの情報をさらに入手するよう指示し、今回の仕事の話は終えた。そして前回の仕事の報酬を振り当てたところでミーティングを終えた。皆、今度の仕事の内容などさっさと忘れてしまいたいと言わんばかりに、蜘蛛の子を散らすように逃げ去ってしまい、リゾットただ一人がリビングに取り残された。

 リゾットが今回殺すことになるのは、パッショーネが抱える娼婦たちを手ひどく犯し、その後に殺害してまわる連続殺人犯だ。ここ数週間のうちの被害者数はもう間もなく十に到達する勢いだった。けれど当然組織に、報復などという理念は無い。ただ、自分たちの“商品”に手を出されて利益が落ちることを遺憾に思っての対処に過ぎないのだ。

 大方、上の連中は商品にはいくらでも替えが効くと考えているのだろうから、品数が一時的に薄くなるだけなら問題にもしなかったはずだ。しかし、この件に関しては巷でも毎日大々的に報道されてしまっていた。早く始末を付けなければ、嫌疑を掛けられることを恐れる客たちが離れていき、殺されることを恐れて女達が働かなくなる。こんなことではビジネスが成り立たない。組織は事件の早期解決を望んでいる、というわけだ。

 殺人犯は言うに耐えないような悍ましい証拠を現場に一つ残していくのだが、そのせいで逆に警察の捜査は難航していた。したがって、現時点ではターゲットの名はおろか相貌すら判明していない。情報管理チームが目下のところ捜査中で、ターゲットが明確になり次第、リゾットの元へ連絡が来る手筈となっている。

 この仕事の話をもちかけられた時、リゾットが一番最初に抱いたのは“虫酸が走る”というどうしようもない嫌悪感だった。

 その、虫酸が走るようなことを平然とやってのけてきたターゲットを殺せば、世界は明らかに良くなると思えた。司法的、そして世間的には正規に下せない、苦しみ抜いた上での死――内側から鋭利な金属で切り裂かれて出血多量で死ぬなど、犯人は全く想定していないだろう――という名の正義の鉄槌を、この手で下す。暗殺者である自分だからこそ、それが可能なのだ。

 いやまて、落ち着け。……正義感などというものを仕事に持ち込むなんて、筋違いもいいところだ。

 リゾットは内省の上、瞬時に冷静さを取り戻した。

 なんと言っても、自分は世間一般で言う“正義”とは対極にある存在だ。冷酷無比な暗殺者。ただ、与えられた仕事をそつなくこなし、対価を得る。それが使命であるし、そうしないといけないような状況に自身を追いやったのは紛れもなく過去の自分自身だ。

 リゾットは自身が過去に下した決断や選択に後悔などないと常々思う。けれど、つい目を背けてしまいたくなるようなむごたらしいことが、この世界ではひっきりなしに起こる。だから、たまに自身の運命を呪うことはあった。それでも、自身が復讐を果たしたことは間違いではないと信じていたし、その結果今があるということにも納得しているつもりだった。――いや、無理矢理納得するために、彼は心を失くしたように振る舞うしかなかったのだ。

 けれど、自身の中に確かにある信条めいた何か――絶対的な、彼の中に確かに存在する彼にとっての正義――が、人を殺すという、精神的にも肉体的にもエネルギーのいる仕事を実行するにあたりポジティブに働くことがないわけではない。冷酷無比と言えども、彼は確かに愛を知る血の通った人間に違いないからだ。

 けれども彼自身に、正義感故の殺人動機など持ちようはない。今回のように、すべて、ターゲットを与えられて後発的に沸き起こる感情でしかないのだ。仮に正義感など抱いたところで、組織の飼い犬と成り下がった今となっては、彼に彼が殺してやりたいと思った手合いを殺す自由は無いし、殺すべきでないと思った人々を救う自由も無い。どちらにせよ、自分は自分の感情を押し殺して任務遂行に徹するしかないのである。

 それはリゾットが組織に入ってこれまでの間に、嫌という程思い知らされたことだった。彼が殺してやりたいと思うようなことを組織は平然とやってのけるし、逆に今回のように、殺してやりたいと思うようなことを平然とやってのける人間を殺すように指示してくることもある。これだけ聞くと、組織の意思や理念といったものの軸がぶれているように思えるかもしれないが、そこにもう一言添えてしまえばすべて腑に落ちる。

 すべて組織の不利益となるか否かによる。不利益になるとボスに判断されれば、その原因となる人間は女子供関係なく、皆殺される。抗えば抗うだけ苦痛を植え付けられ、心を殺され、やがて肉体も滅び行く。

 抵抗を許さず、悪であろうと善であろうと否応なしに排除する。そんな組織に身を置いて生きながらえている時点で、自分という存在そのものがそもそも悪であるということは、いつなんどきも忘れてはならない。悪逆非道の限りを尽くしたターゲットを殺したという仕事の成果が、自分にとっては正義と思われるような行為に見て取れたとしても、その行いによって悪である自分の罪を償うことができるわけではない。――少なくとも、この組織の飼い犬として、人を殺し続ける間は。

 これもまた、リゾット・ネエロというひとりの男がが背負う十字架であった。彼はその十字架に、いずれ必ず償いをすると、誓いを立てている。まぎれもなく、悪に染まりきれない彼の正義は、尚も彼の心の中に存在しているのだ。

 そんなリゾットが、今回受け持った仕事にを就かせ、ましてや囮にしようなどという発想に至るはずもなかった。



71:Heathens



 職場に足を踏み入れてすぐ左手にあるカウンター。朝、いつもそこに笑顔で立っていたファジョリーノはいない。分かってはいたはずのことなのに、相変わらず胸は締め付けられてズリキと痛んだ。

 大開口のガラス窓から差し込む朝日だけが部屋の中を照らしていた。今展示されている目玉商品は、キャデラックのエスカレードだ。前にチョコラータに売りつけようとしていたジャガーのソブリンに置き換わったそれは、さすがの存在感を放っていた。黒く、大きく、堂々たる出で立ち。単にソブリンよりも車高が高いからかもしれないが、照明のないホールは、以前よりも薄暗く感じられた。

 エスカレードを横目に店内を奥へ進むと、店長が淹れたであろうコーヒーの香りが漂ってきた。はハンドバッグを更衣室のロッカーに仕舞うと、そのまま給湯室へと向かった。自分のマグカップを手にとって、サーバーに溜まったコーヒーを注ぐ。その後、社長室へと向かった。

「店長、おはようございます」

 ドアをノックして挨拶をすると、開いた扉の奥、デスクトップパソコンのモニターの向こうから、リコルドがひょっこりと顔を覗かせた。いつもと変わらぬ笑顔に少しだけ癒やされる。

「ああ、おはよう。

 リコルドは手招きをして社長室の中へを呼び込むと、デスクの上に乗せていた紙袋を手にとって中をあさりはじめた。中からクロワッサンをひとつ取り出して、に差し向けて言った。

「これ、朝ごはんにどうかな。前に君が好きだと言っていたから、買ってきたんだ」

 紙袋に書いてあったのは、社宅の近くに建つパン屋の名前だった。暗殺者チームのアジトに居候する前まで足繁く通ったパン屋だった。濃厚なバターの甘い香りに誘われて、ついついクロワッサンを買い込んでしまっていたものだ。ひどく久しぶりに見たそれを、はにっこりと笑ってリコルドから受け取った。

「わあ、嬉しい! ありがとうございます!」
「ふふ。君のその笑顔を見たいがためさ。礼には及ばないよ」

 リコルドの座るデスクに向って右手に、来客用のソファーとコーヒーテブルがある。彼はそこを指さして続けた。

「さあ、そこに掛けたらどうだい。ここで食べていくといい。ちょうどコーヒーもあるみたいだしね」
「ええ。そうさせていただきます」

 穏やかで、けれど静けさが沁み入る朝がゆっくりと過ぎていく。ふいに、リコルドが口を開いた。

「君に、話しておかなくちゃならないことがある」

 きっとそうだろうと思ったから、はリコルドの言うとおり、社長室のソファーに腰掛けたのだ。

「なんですか?」
「……君一人だと大変だろうと思ってね。実は、営業職でスタッフの募集をかけていたんだ」
「ファジョリーノの、代わりですね」

 リコルドはの横顔をじっと見つめた。が手に持つクロワッサンの包み紙がかすかに音を立てた。その後、はクロワッサンを一口かじってテーブルに置くと、マグカップのコーヒーを一度すすって、リコルドに顔を向けた。

 悲しみを滲ませる取り繕ったような笑顔だ。には自覚があった。だが、ファジョリーノの代わりという言葉に、自分自身納得がいっていないという自覚もあり、結局自分自身をだますことはできなかった。

 困ったな。私、店長を困らせたいわけじゃないのに。

 表情筋が強張っている。その違和感を失くすために、手に持ったままのマグカップを顔に近づけ、もう一口、苦くて濃いコーヒーを一口すすった。そしては、今度こそ、いつもどおりの笑顔を店長に向けた。

「もうどなたか決められたんですか?」
「ああ。明日来ることになっているよ。名はカレン。カレン・オーだ。年齢は確か、君と同じか少し年上くらいだったよ」
「女性、ですよね?」
「ああ、そうだよ。とても気さくで明るい子だ。仲良くしてやってくれるかい?」
「女性の同僚って初めてだから、嬉しいわ! 会うのがとっても楽しみです! いいお友達になれたらいいな」

 そんなの言葉を聞いて、リコルドはほっと安心したような顔を見せた。二、三口ほどパンをかじって咀嚼して、コーヒーで飲み下した後、はまた口を開いた。

「ところで、ファジョリーノが戻ったら――」

 これはどうしても、確認しておきたいことだった。

「――彼が元気になって、戻ったら……?」

 彼に居場所は残されているのだろうか。彼は現時点で、クビになってしまっているのだろうか。もしそうなら、私がここを辞める。……でも、それだと、彼を支えることができない。

「もちろん、彼の居場所は残しているさ」
「良かった……」

 心の底からほっとして、は呟いた。

「はは、君は本当に優しいね。。そんなことを心配していたんだな。……カレンは任期付き採用なんだ。一年という約束で契約したんだよ。もちろん、場合によってはそれ以上の期間、お願いすることもあるかもしれないが、それはまたその時に考えればいい。そして、もしも明日ファジョリーノが元気に戻ってきたって、今後一年間は、三人で仲良くやってもらうからね。……となると、ファジョリーノは両手に花、だな。羨ましい限りだよ」

 リコルドのこの言葉を聞いて、は初めて本心から笑みを浮かべた。どうやら自分は余計な心配をしていたようだ。

「店長、私、明日がとっても楽しみだわ!」
「ああ。私もだよ。……ファジョリーノが戻るまで、なんとか頑張っていこう」
「はい!」



 こうして迎えた次の日。が昨日と同じように、職場へ足を踏み入れ左を見やると、カウンターにリコルドと見慣れない一人の女性が立っていた。

「おはよう。
「おはようございます。……そちらが、カレンさん?」

 カレンはにっこりと笑顔を浮かべて見せた。髪色はつやのある黒。前髪は眉のラインより少し上で横一線に切りそろえていて、後髪は後頭部でまとめシニヨンにしている。切りそろえた前髪の下からヘーゼルグリーンの双眼が覗いていた。少しくすんだ赤の紅を乗せた唇がやがて開いて、彼女は凜とした声をホールに響かせた。

「ええ、さん。おはようございます」

 言うとカレンはカウンターから出て、の前に立ち手を差し出した。スラリとした立ち姿には好印象しか抱けなかった。は嬉しくなって、すぐに握手に応じた。

「はじめまして。カレン・オーといいます」
でいいわ。私も、あなたのことをカレンって呼ばせてもらってもいい?」
「もちろん、。これからよろしく」

 そうこうしていると、カウンターに立ったままだったリコルドが二人の姿を見てニコニコしていた。

「店長。お顔に締まりがなくなってますよ」

 が言った。

「おっと、失礼。営業がこんな美人揃いだと、車も飛ぶように売れる気がしてならなくて、嬉しくなってしまったよ。それじゃあ、。後は頼んだよ」

 そう言ってリコルドは自室へと戻っていった。

「ねえ、カレン。車が好きなの?」

 は目を輝かせて言う。カレンはまた、にっこりと笑って答えた。

「もちろん! 私はフォードのマスタングが一番好きなの」

 はさらに目を輝かせた。別にディーラーで営業をやっているからと言って、皆が皆大の車好きという訳ではない。ファジョリーノがそうだった。嫌いな訳ではないが、大してこだわりがあるわけではない。そんなことを言っていた。久しく、車の話など誰ともしなかった。だから、嬉しくなってしまったのである。

「わ、私も! 同じアメリカの車で言ったら、私、シボレーのカマロも好きだわ!」
「分かる! ダッヂのチャレンジャーも捨てがたいけどね」
「そうよねそうよね! ああ〜もう、嬉しい! こんな話を始めたら、私止まらなくなっちゃうの」
「私も嬉しいわ、。先輩って、どんな人だろう。怖いひとだったらどうしようって、不安で仕方なかったの。今は杞憂に終わって安心しているわ」

 は、先程手放したばかりのカレンの手を再度取って、それを両手で包むようにして持ち上げた。

「何か困ったことがあったら、すぐに何でも相談してね!」

 の屈託のない笑顔を受けて、カレンは微笑んだ。

 この日はパソコンの設定だとか、この店で営業が何をやるのかといった解説を済ませ、その後ちらほら店に訪れた客の対応を見せて終わった。一日の仕事を終え、社長室に顔を出しリコルドに帰りの挨拶を済ませた後、はカレンと一緒に職場を後にした。

「あなたって、リコルドさんの社宅に住んでいるの?」
「ええ。お借りしてるわ。一昨日越してきたばかりなの」

 リコルドの所有する――暗殺者チームのアジトに身を寄せる前までが使っていた――アパートは、二階建ての小さなものだった。が住んでいた二階には、ファジョリーノの部屋の他にもう二部屋あった。はまだあそこに住んでいることになっている――まさか、暗殺者チームのアジトを職場に提示する住所とするわけにはいかないからだ――し、ファジョリーノの戻る場所は取っておく、とつい昨日リコルドが言ったばかり。だからカレンはそのどちらか、空き部屋に入居したのだろう。

「ねえ、

 カレンは立ち止まって言った。

「近々、一緒に夕食でもどう?」
「……えっ」

 は顔を真っ赤にして、慌てふためいた。そんなの顔を、カレンは不安気に覗き込んだ。

「まずかったかしら?」
「ち、違うの、違うのよカレン! 嬉しいの!」

 今までの人生で、女性と親密な仲になったことはなかった。環境が環境なだけに女性と長く時間を共にすることもなかったし、境遇が境遇なだけに自ら進んで友人を作りにもいけなかった。――改めて、自分がこれまでどれほど孤独であったかを思い知らされたのと同時に、新たな出会い、そして自分に向けられる女性の優しい微笑みに、何か言いようのない喜びを感じたのだ。

「ぜひ! そうさせてほしい!」
「良かった! それじゃあ、また明日」
「ええ。また明日」

 こうしてふたりは別々の帰路についた。

「姉貴、お疲れさま」

 バス停でバスを待っている間に、ペッシがやってきた。これからふたりでアジトに帰るのだ。お疲れさま、と言い返したの声音や表情から、ペッシは彼女が久しぶりに上機嫌であることを読み取った。

「姉貴、今日はやけにゴキケンだね。……何かいいことでもあったのか?」

 アジトに来てからずっと穏やかで笑顔が耐えなかったは、ここ最近ひどく落ち込んでいた。未遂には終わったものの、チームから脱走を企て、それを許した自分の無責任さと過去、そしてもうひとりの自分という存在に苛まれている内に、職場の同僚がオーバードーズで意識不明の重体に陥った。むしろ、今こうして笑顔でいられるのが不思議でならないと、ペッシは思った。けれど彼の認識に反して、はまばゆいばかりの笑顔をペッシに向けて答えた。

「ええ! そうなの!」

 ペッシが彼女から話されたのは、職場に新たにやってきた営業の女性社員のことだった。察するに、自分が見舞いに付き添った、ファジョリーノという男の穴埋めだ。詳しく話を聞かないまでも、ペッシはすぐにそう思い至った。

「――それでね、今度、夜ご飯一緒にしましょうって誘ってもらえたの。それがすごく嬉しくて――」

 は興奮した様子で、バスの座席の窓際から外ではなく、自分の方を見て話す。彼女の顔がいつもより近く感じられて、ペッシは緊張して顔を赤らめていた。

 イビサから戻ってから、もう何回かこうして一緒に同じバスに乗って同じ席に同じように座りアジトへ戻ったのだが、がペッシの方へ顔を向けて話すのはほとんど初めてだった。今日の朝まで、はぼんやりと窓の外ばかり見ていたのだ。ずっとこちらを見られていても、今のように恥ずかしさから困ってしまうのだが、窓ガラスに映る彼女の表情は陰鬱でさらに一言も喋らなかったから、移動の間はとても静かで寂しかった。やはり、彼女にはずっと笑顔でいてほしいと、ペッシは思った。

 姉貴が嬉しそうにしているのが、オレも嬉しい。

 思うにとどまり、口にはしない。そんなペッシの奥ゆかしい思いを一身に受けながら、はアジトへと帰り着いたのだった。