遠距離恋愛も楽じゃない。そう思い始めたのはいつからだう。彼の言う“お仕事”でも無い限り、人の多い都市に姿を現すなんてことは絶対にしないから、もういっそのこと周りに人っ子一人いない僻地にでも身を移そうか。そうすれば、もしかしたら暇なときくらい会いに来てくれるかな。
仕事中や家に帰ってから、そして夜寝る前。空いた時間で考えるのはすべてあなたの事ばかり。
ねぇ。最近、欲求不満でカラダが枯れ果てそう。なんて、無料チャットアプリで、しかも可愛らしいスタンプ付きでメッセージを送ったところで、既読がつくのは1週間後。これじゃ文通してるのと変わらないじゃない。
ねぇ。この飢えたアタシを満足させることができるのは、アナタだけなんだってこと、分かってる?分かってるなら、返事をして、会いに来て。
アタシの中を、あなたの愛で埋め尽くして―――。
と会わないままに2ヶ月という時が過ぎた暑い夏の日。来月はヨークシンに団長から召集がかかっていて、ついでということで、ヨークシンに近い衛星都市へ赴いた。割と厚い広葉樹林で囲まれた小規模な都市で、中心部から少し足を伸ばせば景観的には緑が増え涼しげではあるが、コンクリート舗装の多い中心部では、電光掲示板に38℃の文字がちらついて余計に熱く感じられた。
時刻は14時。待ち合わせの場所はの自宅。最寄駅から徒歩3分の場所にある黒いビルの最上階。は都心のど真ん中でハンター派遣会社の社長をやっている。そこそこ儲かっているが故の立地条件だ。下から19階までがオフィスで、最上階が彼女の居住スペースだった。大して贅沢をしたいという欲があまりないの住まいは、彼女の年収に見合った広さでは無かったが、大都会に近い衛星都市の中心部に住んでいるという条件から察するに、一般人がさらっと購入できるほど安価でないことは確かだった。
広々としたロビーに足を踏み入れたとたんに、冷たい空気に包まれる。周りを闊歩するのはスーツに身を包んだ、見るからにビジネスマン。いくらハンター派遣会社と言えども、ジャージ姿で会社に現れる者はいないのか、視線が一気にオレに集中する。ただのジャージ男ならまだしも、見るからにDQNなオレには奇異な物を見るような目というよりもむしろ、場違いだから失せろとでも言いたげな目が向けられる。
(いいかお前ら・・・。オレにかかればお前らなんざ秒殺なんだからな・・・)
と怒りを抱きながらも、顔に出るのを抑えて受付のオンナの前に立つ。ひっと声を上げてオンナは即座に張り付いた微笑みを浮かべながら、恐る恐るオレに問いかけた。
「い、いらっしゃいませ!お仕事のご依頼でしょうか?」
「いや。ここの社長に用がある」
「失礼ですが、お客様のお名前をお伺いしてもよろしいですか?」
名前を告げると、手元の台帳をぱらぱらと捲って確認を取る。
「フィンクス様ですね。確認いたしました。そちらのエレベーターより、6階にお上がりください」
社会に適応するというのもなかなか面倒なもんだ。こんなまどろっこしい真似をせずとも、そのまま乗り込んでも良かったんだが、エレベーターの前で張ってる警備員に止められるのは確実だ。止められたところで強行突破は可能だが、自分のオンナはブラックリストに乗っているような悪人でもなんでもない普通の一般人だ。会社を血の海にしてしまえば、彼女は路頭に迷ってしまう。
そんな下らないことを考えながら、オレは6階を目指す。6階ですと機械が喋って目的階への到着を告知すると同時に扉が開く。足を踏み出すと、まがい物か本物かは分からないが、黒い大理石で埋められた床がカツンとなる。そして周りを囲む純白の壁紙。そのコントラストがなんとも高貴な雰囲気をかもし出す、エントランスがオレを出迎えた。エレベーターから出て右手の壁一面はガラス張りで、雑多に広がる都市を一望することができる。
ダークブラウンの両開きの扉の片側を押し、中へ入る。鼻をくすぐる華やかなソープの香り。は風呂にでも入ったのだろうか。なんと用意周到なことだろう。そんなことを考えてニヤニヤしていざ前を見ると、そこには久方ぶりのの・・・。
「きゃああああああ!!く、来るなら来るって・・・きゃああああああああああ!!!!」
のあられもない姿が・・・。流石にそこまで用意周到だとは思わなかった。あまりに意表をついたそのエロティックな姿に、オレの中心は熱を帯び始める。
「お、オマ・・・それ・・・」
「きゃああああああ!!見ないでえええええ!!」
そう言って部屋の奥へ逃げ、おそらく衣類を身につけようとしているのであろうを即座に捕らえ、バックを取っての両手首を握り上げ拘束する。まだ湿っている髪からはシャンプーのいい香りが漂い鼻をつつく。
「いや!!離して!!服、着るから!!」
「いやいやいや、お前、そんな格好して誘っておいて、服なんて着るつもりねーんだろ?」
そんな格好。これから詳しく、事細かに説明しよう。ただ、もっとも重要な点をまず指摘しておく。
「Tバックとかお前・・・反則だろ」
そう。Tバックだ。正直なところ、Tバックという代物が何故存在するのか。そしてそれが一体どのような役割を果たしている布切れなのか(と言うよりも、が身につけているのはケツだけ見ればただの紐であるが)全く検討もつかない。ただ、それが瞬時にして効果的に男の性欲を高める役割を果たしていることは確実である。むしろそのために存在しているものだとオレは認識している。
そもそもTバックをはいていると認識できること自体問題だ。つまりパンツやスカートといった類のものを身につけていない状態で部屋をほっつき歩いていたということ。部屋に入った瞬間目の当たりにしたのは、のぷりんとした上向きの綺麗なケツ(早くしゃぶりつきたい)と、ツンと乳首が主張する白い丈短めのTシャツ。濡れた髪をバスタオルで拭きながら部屋の奥に向かうところを、今しがたオレが捕獲したわけである。
そんな姿を男と会う約束の時間に見せびらかしてくるわけだから、もう誘っているとしか受け取れない訳だが、それを知ってか知らずか、はものすごい勢いで逃げ果せようと抵抗してじたばた動く。矛盾しているとつっこんでやりたいところだが、オレの一物をのナカに突っ込む方が先だ。最早ベッドルームへ向かうことすら億劫だ。
オレは束ねたの手首を左手で拘束して壁に打ち付ける。はとっさに真っ赤にした顔をオレから逸らした。
「なあ、ぜってー挑発してんだろ。お前」
オレはTシャツの上からの乳房を掴み揉みしだいた。再び主張しだした胸のつぼみを食んでやると、甘い吐息が控えめに吐かれる。舌でころころと遊んでいると、その吐息もだんだん遠慮無く頭上から降り注がれるようになった。
「あたし・・・聞いて、ない・・・!」
「あ?昼の2時に部屋に来いって言ったのは、お前だろ」
「ちがっ・・・受付から、電話・・・」
「無かったってのか?ふぅん・・・ならあの受付の女には感謝しねーとな」
どちらにせよ、用意周到に風呂に入ってんだから、そのTバック姿はオレにお披露目する予定だったんだろ?なんて言ってやれば、違うの一点張りで。そりゃあ可笑しいだろと。
「オレがお前に会ってヤらないなんて・・・そんな頭ん中お花畑みてーなおうちでまったりデートができるとでも思ってたのかよ?」
「ふぃ・・・フィンの、意地悪!」
の腕は彼女の頭上で拘束したまま、下半身へと指を滑らせた。そう。Tバックが映える下半身へだ。蜜ツボの口に到達した中指で、三角形の黒いレース生地から伸縮性の黒い紐へ切り替わる部分を二、三度さすってやると、指の腹がじんわりと湿り気を帯びた。断りもなく、指をそのまま中へ突き入れ動かすと、くちゅくちゅと淫猥な音が、天井高めのリビングで鳴り響く。
「何だよこの音」
「い・・・やっ・・・言わないで・・・」
指を突き入れた先、手前側のざらついた箇所を撫ぜてやれば、腰を引いてよがる。いい加減手首を拘束し続けていた俺の左手も疲れてきたので、逃がさないように口を口で塞ぐ。もっとも、には既に逃げる気力など残っているようには思えないが。
息苦しそうに口から吐息を吐いていた彼女だが、そこを塞がれてしまってはますます苦しそうだ。の口内で逃げる舌を追って絡め取ってやると、諦めたかのようにこちらの舌の動きに合わせてくる。彼女の意思とは逆に、体は案外素直らしい。
右手でさすり続けた箇所はたぷたぷとした感触。オレは頃合と考えて、Tバックの三角形のレース生地部分を左手でずらし、すこし奥まった箇所ある陰核に舌を這わせた。瞬間、の体は電気でも流れたかのようにピクリと震え、悲鳴にも似たあえぎ声を上げる。
「いっ、いやっ!やめて・・・出ちゃう・・・出ちゃうよっ・・・」
は脚をガクガクと震えさせはじめ、安定を失いそうな上体を壁に預け両腕で支える。丁寧に舐ってやったあと、再び膣内の指の動きを早め、高速に掻き出してやると、一段と大きな嬌声を上げて透明な液体を大量に噴出した。
「ナイス。水分補給は大事だぜ」
「・・・ふっ・・・ふぁ・・・そんな、んじゃ・・・あっ!!」
イッた後すぐで申し訳ないが、オレももう限界だ。の肩を掴み裏を向かせ、一気に自身の肉棒で秘部を貫く。
「ケツ・・・もっと突き出せよ」
彼女の脳内からは既に抵抗の2文字が消え去っており、オレに言われるがまま、従順にケツを突き出した。Tバックの黒い紐をずらし片手で固定したまま、ゆっくりと腰を打ち付ける。打ち付ける度に短く息が刻まれる。オレが支えてやらなくても、は自分でしっかりと壁に両手をついている。手持ち無沙汰な右手を前に回し、律動に合わせてゆれる乳房を掴んだ。人差し指で頂点を捏ねてやれば、上半身も下半身も快感が支配して思考回路を狂わせるのか。
「ふぃ・・・ふぃんっ!あっ!もっと、もっと激しく、してっ・・・!もっと、もっとフィンが欲しいのっ!!」
は上気して真っ赤な顔でこっちを振り向き、上手におねだりしてきやがった。
「っ・・・ざけんな・・・いちいち勝手なんだよおめーはっ・・・」
不意を突く攻撃に面くらいながら、律動を早める。律動を早めると、イッてしまうリスクが伴うが、もうそんな泣き言も言ってられない。
「あっ・・・はげしっ・・・あっあっ・・・あん、ああっやぁっ」
「イヤじゃねぇっ・・・。いいんだろ?いいって言えよ」
「いいっ・・・いいのぉっ!フィンの、気持ちぃいっ・・・あっああっ・・・!!」
「っ・・・出すぞ・・・」
オレは堪えきらずに、の中へ己の欲を吐き出した。どくどくと熱い白濁食の半液体が注がれて、肉棒を抜き出すと同時にぱたぱたと溢れ出る。立つ気力を失くしたはへなへなと床へ腰を下ろし、再び壁に背を預けた。すかさず、精液が垂れる息子を咥えさせ、残らず舐め取らせる。言わずとも従順にそこまでするから、スイッチが入ったの淫乱にはまいったもんだ。
うなだれて肩で息をするのアゴを掴んで上を向かせ、深く深く口付ける。
「まさかお前、これで終わりだなんて思ってねぇよな?」
の顔に浮かんだのは絶望とは間逆の感情が浮き彫りになった微笑み。今までになく恍惚とした表情だった。
「もっと、中に出して、フィンのでいっぱいにして・・・」